場末の映画館

昔は、映画館が小便臭かったもんだがなあ。

「THE BATMAN」を見る。いや、長過ぎだろ。

年末年始は、テレビが絶望的につまらない。普段もつまらないが、その百倍くらいつまらなくなる。見た分だけ腹が立ち、血圧が上がって寿命が縮む。おそらくAmazon Prime Videoがなければ、去年かおととしの年末に死んでいるだろう。ありがたいことである。

さて、そのありがたいAmazon Prime Videoで「THE BATMAN」を見たのである。確かバットマンというと、前にスーパーマンと戦っていたと思うのだが、この作品のバットマンなら、数秒で殺されているはずだ。大変に弱い。いや、普通の悪人よりかは強いのだが、スーパーヒーローとまでは言えないのである。まあ、バットマンになってまだ二年目という設定だから、弱くても仕方がない。

ただ、その分リアルであり、手すりから落ちそうになるだけでヒヤヒヤするのだ。人間的であるせいか軽い恋愛要素もあったのだが、違和感なく見ていられた。恋愛相手はキャットウーマンで、ゾーイ・クラヴィッツが演じている。ショートカットで唇がややぶあつく私の好みである。ブチューッとキスしてくれんかなあ。

前知識なしで見たんだが、あれえ、2時間を過ぎても終わりそうもない。結局、見終わったのはほぼ3時間後である。途中で「うん、これでThe Endだな」と何度も思ったのだが、その都度、新しいシーンが映し出されるのだ。いやいやいや、あなたね。さすがにこの時は、血圧が180-110に上昇したのである。

クリスチャン・ベールの三部作は私も大好きで何度も見返しているんだが、この「THE BATMAN」もそこそこ好きである。特にバイクは水平2気筒のBMWぽいバイクで市販されていても不思議ではないようなものだし、バットモービルもマッスルカーにジェットエンジンを搭載したような感じである。最近のバットモービルは空も飛んでしまうので、このくらいのリアルさは私には好ましい。

もう一回見ようかと思うのだが、なにしろ長いからなあ。ジジイにとっての3時間は、そこそこ貴重なのだ。

まあ、見ればゾーイ・クラヴィッツがキスしてくれる夢を見られるかもしれんしなあ。しかし、ショートカットだというだけの共通点で、辻元清美が「キスしたろか~」などと唇を尖らして出てくる可能性もゼロじゃない。それは、地獄的悪夢だよなあ。う~ん、と大変な悩みどころである。