場末の映画館

昔は、映画館が小便臭かったもんだがなあ。

消耗品が高すぎます

 私は、消耗品を買うのが嫌いである。いや、憎んでいると言っても過言ではない。親の仇子の仇鬼畜米英来るなら来い来い赤とんぼである。

 一番嫌いなのが、電動歯ブラシの替えブラシだ。あんなプラスチックの安っぽいブラシが、4,500円である。6本入りだから、1本が750円だ。

 1日1歩3日で3歩、バカも休み休み言いたまえ。

 どう考えても高すぎる。だが、今使っているブラシは、すでに先端が広がり、使用に耐えない状況である。歯のことを考えれば、月に一度は替えたほうがいいのだ。だから、泣く泣く買うのである。

 二番目に嫌いなのが、電気シェーバーの替え刃である。網と刃のセットで、なぜかこちらも4,500円である。本体価格は、確か1万円ちょっとだった。それで替え刃セットが4,500円というのは、おかしいのではないか?

 月月火水木金金、バカも休み休み言いたまえ。

 どう考えても高すぎる。だが、すでに網が破れてしまっているのだ。毎朝、アゴが血だらけでは、いずれ出血多量で死ぬのである。この人殺しシェーバーがっ、などと怒り心頭である。

 まだ死ぬのはいやだから、泣く泣く、替え刃セットを買いに行った。替え刃のコーナー付近にいた店員に声をかける。

「一つ訊きたい。シェーバーの網の寿命はどれくらいなのだ?」

「はあ、ヒゲの質にもよります。僕みたいにヒゲが濃いと、すぐにダメになりますね」

「なに、貴様。それは嫌味かっ。私の頭髪が薄いことを笑っているなっ。許せん。店長を呼べっ」

 シェアNo.1のメーカーであるほど、消耗品が高いのである。高くても買うと客をなめているのだ。くそお、ブラウンめっ。ドイツだからってでかい面しやがって。移民をもっと受け入れて分断されて滅びやがれっ。

 待てよ。
 
 最近では、空気清浄機もフィルター交換が不要の商品も出ているではないか。かつては、フィルターは、消耗品として売上げに大きく貢献していた。その売上げをなくしても、利便性を高める方向にメーカーはスタンスを移しているのだ。

 それが正しい商品の進化の道であることは確実である。

 ブラシの先が傷まない電動歯ブラシ、破れないシェーバーの網など、その気になれば簡単に作れるはずだ。

 いや、歯ブラシやシェーバーだけではない。減らない靴底、なくならないプリンターのインク、何度も使えるコンドーム。さっさと開発しろと思う。いつまで使い捨ての思考のままでいるのか。

 ちなみに私は、貧乏になった現在は、シェアの高い有名な商品を追いかけることはなくなった。本体も消耗品も安いものを選ぶようになったのだ。

 シェーバーは、パナソニックの安いやつなのだが、全然網が破れない。ヒゲが濃くないから、これで十分なのだ。電動歯ブラシは、ライオンのシステマに変えたのだが、本体も替えブラシも安くて助かっている。ああ、ありがたやありがたや。